フローリングの傷・へこみの退去費用
国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」にもとづく|最終更新
結論
フローリングの部分補修は経過年数を考慮せず、傷をつけた範囲(原則㎡単位)の費用を借主が負担します。傷が部屋全体に及んで全体を張り替える場合は、建物の耐用年数(木造22年、RC造47年など)で負担割合を計算します。家具を置いたことによるへこみや日焼けによる色落ちは貸主の負担です。
貸主の負担になる例・借主の負担になる例
貸主の負担(通常損耗・経年変化など)
- 家具を置いたことによる床のへこみ・設置跡
- 日照や建物の欠陥による雨漏りでの色落ち
- フローリングのワックスがけ
借主の負担(故意・過失・手入れ不足など)
- 引越し作業などでつけた引っかき傷
- 借主の不注意で雨が吹き込んだことによる色落ち
- 冷蔵庫の下のサビを放置して床を汚した場合のサビ跡
- 飲み物をこぼした後の手入れ不足で広がったシミ・カビ
ガイドラインの修繕分担表などから抜粋。実際の判断は損耗の程度や契約内容(特約)によって変わります。
負担の単位と経過年数
原則は㎡単位で、傷が複数箇所ある場合は居室全体が単位になります。部分補修は経過年数を考慮しません。全体を張り替える場合は、建物の耐用年数で残存価値1円となるように負担割合を計算します。
建物の築年数ごとの負担割合の早見表
| 構造(耐用年数) | 築0年 | 築5年 | 築10年 | 築15年 | 築20年 | 築25年 | 築30年 | 築40年 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 木造(22年) | 100.0% | 77.3% | 54.5% | 31.8% | 9.1% | 1円 | 1円 | 1円 |
| RC造・SRC造(マンション等)(47年) | 100.0% | 89.4% | 78.7% | 68.1% | 57.4% | 46.8% | 36.2% | 14.9% |
| 鉄骨造(肉厚4mm超)(34年) | 100.0% | 85.3% | 70.6% | 55.9% | 41.2% | 26.5% | 11.8% | 1円 |
計算例
築16年のRC造マンションに4年住み、過失による傷が洋室(10㎡)全体にあって全面を張り替える場合。新築から20年経過しているので負担割合は 1 − 20/47(57.4%)、工事単価15,000円/㎡なら 15,000円 × 10㎡ × 27/47 = 86,170円が借主の負担の目安です(国交省の参考資料のケーススタディより)。
フローリング(全体張替)の負担額をかんたん計算
借主の故意・過失による損耗の場合の目安です。通常損耗・経年変化なら借主の負担は0円です。
入居者の方: 請求額が妥当かチェック →
見積書の項目を入れると、ガイドラインの目安との差がわかります
管理会社・大家の方: 退去精算書を作る →
根拠つきの精算書をそのまま印刷・PDF保存できます
よくある質問
- 家具の脚でできたへこみは払う必要がありますか?
- 家具の設置による床のへこみ・設置跡は、通常の生活で生じるものとして貸主の負担とされています。
- フローリングの傷が1か所だけなのに全面張替えを請求されました。
- 借主の負担は原則㎡単位で、傷をつけた範囲の補修費用が目安です。全面の張替えは、傷が部屋全体に及ぶ場合の考え方で、その場合も建物の耐用年数による負担割合を考慮します。
関連する解説
出典:
この解説はガイドラインにもとづく一般的な目安で、個別の事案についての法的な判断ではありません。