クロス(壁紙)の退去費用と負担割合
国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」にもとづく|最終更新
結論
クロス(壁紙)の耐用年数は6年です。借主の過失で汚したり破いたりした場合でも、借主の負担割合は「1 −(経過年数 ÷ 6年)」まで下がり、6年を過ぎると残存価値は1円(ほぼ0円)になります。日焼けや電気ヤケ、画鋲の穴など通常の生活でできたものは貸主の負担です。
貸主の負担になる例・借主の負担になる例
貸主の負担(通常損耗・経年変化など)
- テレビや冷蔵庫の後ろの壁の黒ずみ(いわゆる電気ヤケ)
- 壁に貼ったポスターや絵画の跡
- 画鋲・ピンの穴(下地ボードの張替えが不要な程度)
- 借主所有のエアコンを設置したときのビス穴や跡
- 日照などの自然現象によるクロスの変色
借主の負担(故意・過失・手入れ不足など)
- 日常の清掃を怠ったことによる台所の油汚れ・すす
- 結露を放置して広がったカビ・シミ(貸主に知らせず、拭き取りなどの手入れもしなかった場合)
- タバコのヤニによる変色や臭い
- 重いものを掛けるためにあけた釘穴・ネジ穴(下地ボードの張替えが必要な程度)
- 借主が天井に直接つけた照明器具の跡
- 落書きなど故意の毀損
ガイドラインの修繕分担表などから抜粋。実際の判断は損耗の程度や契約内容(特約)によって変わります。
負担の単位と経過年数
負担の単位は㎡単位が望ましいとされていますが、傷をつけた箇所を含む一面分までは張替え費用を借主が負担してもやむを得ないとされています。色や柄を合わせるために部屋全体を張り替える費用を借主に負担させるのは、喫煙で部屋全体が変色した場合を除き妥当ではないとされています。
壁・天井クロス(耐用6年)の負担割合の早見表
| 経過年数 | 0年 | 1年 | 2年 | 3年 | 4年 | 5年 | 6年〜 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 借主の負担割合 | 100.0% | 83.3% | 66.7% | 50.0% | 33.3% | 16.7% | 1円 |
入居時に新品だった場合。入居時点ですでに経過していた年数は足して数えます。
計算例
入居時にクロスを張り替えた部屋に4年住み、壁2面(15㎡)に落書きをした場合。工事単価1,200円/㎡なら、1,200円 × 15㎡ × 1/3(33.3%)= 6,000円が借主の負担の目安です(国交省の参考資料のケーススタディより)。
壁・天井クロスの負担額をかんたん計算
借主の故意・過失による損耗の場合の目安です。通常損耗・経年変化なら借主の負担は0円です。
入居者の方: 請求額が妥当かチェック →
見積書の項目を入れると、ガイドラインの目安との差がわかります
管理会社・大家の方: 退去精算書を作る →
根拠つきの精算書をそのまま印刷・PDF保存できます
よくある質問
- 6年以上住んだら、クロスの張替え費用は払わなくていいですか?
- 借主の過失による汚れでも、耐用年数6年を過ぎたクロスの残存価値は1円とされるため、張替え費用の負担はほぼなくなります。ただし落書きなど故意の毀損は、工事費の一部の負担を求められることがあります。
- 入居時にクロスが新品でなかった場合はどうなりますか?
- 入居時点ですでに経過していた年数を足して計算します。たとえば入居時に3年経っていたクロスなら、3年住んで退去すると経過年数6年となり、借主の負担は1円(ほぼ0円)になります。
関連する解説
出典:
この解説はガイドラインにもとづく一般的な目安で、個別の事案についての法的な判断ではありません。