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賃貸に9年住んだ退去費用

国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」にもとづく|最終更新

結論

通常の使用による汚れ・傷み(通常損耗・経年変化)は、住んだ年数に関係なく貸主の負担で、借主は払いません。借主が払うのは故意・過失や手入れ不足による損耗だけで、その場合も設備の経過年数に応じて負担割合が下がります。入居時に新品だった場合、9年住むとクロス・クッションフロア・カーペット・エアコン(耐用年数6年)と流し台(5年)は耐用年数を過ぎており、残存価値は1円です。便器・洗面台(15年)は40.0%です。ただし、畳表・襖・障子・フローリングの部分補修・鍵など、経過年数を考慮しないものは年数に関係なく負担が残ります。

9年住んだときの借主の負担割合(部位別)

部位・設備耐用年数借主の負担割合
壁・天井クロス6年1円
クッションフロア6年1円
カーペット6年1円
畳床6年1円
エアコン・ストーブ等の冷暖房機器6年1円
ガスコンロ等のガス機器6年1円
インターホン6年1円
流し台5年1円
家具(金属製以外。書棚・たんす・戸棚等)8年1円
便器15年40.0%
洗面台15年40.0%
金属製の器具・備品15年40.0%

入居時に新品だった場合。借主の故意・過失による損耗の修繕費に、この割合をかけた金額が借主の負担の目安です。通常損耗・経年変化は割合に関係なく貸主の負担です。

フローリングの全体張替え・ユニットバス・浴槽

これらは建物の耐用年数で考えます。入居時が新築で9年住んだ場合の借主の負担割合は、木造(22年)で59.1%、RC造・SRC造(マンション等)(47年)で80.9%です。

年数に関係なく負担が残るもの

フローリング(部分補修)、畳表、襖紙、障子紙、室内ドア・窓・網戸などの建具、鍵(シリンダー交換)は経過年数を考慮しません。借主の故意・過失で傷めた場合は、何年住んでも修繕費の全額(負担の単位の範囲)が借主の負担になります。

計算例: クロスを汚して9年で退去

入居時に張り替えたクロスを借主の過失で汚し、30㎡を1,200円/㎡で張り替える場合(工事費 36,000円)。9年住んだ時点の借主の負担割合は1円なので、借主の負担は1円、貸主の負担は35,999円です。

単価は国交省の参考資料の計算例と同じ値を使っています。実際の単価は物件・業者で変わります。

請求された金額が妥当かチェック →

見積書の項目と入居日・退去日を入れると、ガイドラインの目安との差がわかります

この傷み、払うのは誰? →

タバコ・ペット・画鋲の穴など、症状と住んだ年数から判定します

よくある質問

9年住んでタバコを吸っていた場合、クロスの張替え費用は払いますか?
入居時に新品だったクロスなら、9年住むと耐用年数6年を過ぎているため残存価値は1円で、張替え費用の負担はほぼなくなります。ただし、契約書に喫煙についての有効な特約がある場合や、クロスを使えない状態にした場合の工事費は、負担を求められることがあります。
9年住んだらハウスクリーニング代は払いますか?
ハウスクリーニングは経過年数を考慮しない項目です。通常の清掃をしていれば原則は貸主の負担ですが、契約書に借主負担の特約があり、金額などが明記されていれば払うことになります。住んだ年数で安くなるものではありません。
入居したときにクロスが新品ではなかった場合は?
経過年数は入居した日からではなく、クロスを張り替えた日から数えます。入居時点で2年経っていたクロスなら、9年住んだ時点の経過年数は11年で、借主の負担割合は1円です。張替え日が分からない場合、ガイドラインでは入居年数で代用する方法も示されています。

ほかの年数

負担割合の計算方法と耐用年数の一覧

出典:

この解説はガイドラインにもとづく一般的な目安で、個別の事案についての法的な判断ではありません。