賃貸に5年住んだ退去費用
国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」にもとづく|最終更新
結論
通常の使用による汚れ・傷み(通常損耗・経年変化)は、住んだ年数に関係なく貸主の負担で、借主は払いません。借主が払うのは故意・過失や手入れ不足による損耗だけで、その場合も設備の経過年数に応じて負担割合が下がります。入居時に新品だった場合、5年住んで退去するときの借主の負担割合は、クロス・クッションフロア・カーペット・エアコン(耐用年数6年)が16.7%、流し台(5年)が1円、便器・洗面台(15年)が66.7%です。
5年住んだときの借主の負担割合(部位別)
| 部位・設備 | 耐用年数 | 借主の負担割合 |
|---|---|---|
| 壁・天井クロス | 6年 | 16.7% |
| クッションフロア | 6年 | 16.7% |
| カーペット | 6年 | 16.7% |
| 畳床 | 6年 | 16.7% |
| エアコン・ストーブ等の冷暖房機器 | 6年 | 16.7% |
| ガスコンロ等のガス機器 | 6年 | 16.7% |
| インターホン | 6年 | 16.7% |
| 流し台 | 5年 | 1円 |
| 家具(金属製以外。書棚・たんす・戸棚等) | 8年 | 37.5% |
| 便器 | 15年 | 66.7% |
| 洗面台 | 15年 | 66.7% |
| 金属製の器具・備品 | 15年 | 66.7% |
入居時に新品だった場合。借主の故意・過失による損耗の修繕費に、この割合をかけた金額が借主の負担の目安です。通常損耗・経年変化は割合に関係なく貸主の負担です。
フローリングの全体張替え・ユニットバス・浴槽
これらは建物の耐用年数で考えます。入居時が新築で5年住んだ場合の借主の負担割合は、木造(22年)で77.3%、RC造・SRC造(マンション等)(47年)で89.4%です。
年数に関係なく負担が残るもの
フローリング(部分補修)、畳表、襖紙、障子紙、室内ドア・窓・網戸などの建具、鍵(シリンダー交換)は経過年数を考慮しません。借主の故意・過失で傷めた場合は、何年住んでも修繕費の全額(負担の単位の範囲)が借主の負担になります。
計算例: クロスを汚して5年で退去
入居時に張り替えたクロスを借主の過失で汚し、30㎡を1,200円/㎡で張り替える場合(工事費 36,000円)。5年住んだ時点の借主の負担割合は16.7%なので、借主の負担は6,000円、貸主の負担は30,000円です。
単価は国交省の参考資料の計算例と同じ値を使っています。実際の単価は物件・業者で変わります。
請求された金額が妥当かチェック →
見積書の項目と入居日・退去日を入れると、ガイドラインの目安との差がわかります
この傷み、払うのは誰? →
タバコ・ペット・画鋲の穴など、症状と住んだ年数から判定します
よくある質問
- 5年住んでタバコを吸っていた場合、クロスの張替え費用は払いますか?
- 喫煙で部屋全体のクロスが変色したり臭いが付いたりした場合は、部屋全体の張替え費用が借主の負担の対象になりますが、耐用年数6年による負担割合(5年なら16.7%)をかけた金額が目安です。たとえば張替え費用が36,000円なら、借主の負担は6,000円です。
- 5年住んだらハウスクリーニング代は払いますか?
- ハウスクリーニングは経過年数を考慮しない項目です。通常の清掃をしていれば原則は貸主の負担ですが、契約書に借主負担の特約があり、金額などが明記されていれば払うことになります。住んだ年数で安くなるものではありません。
- 入居したときにクロスが新品ではなかった場合は?
- 経過年数は入居した日からではなく、クロスを張り替えた日から数えます。入居時点で2年経っていたクロスなら、5年住んだ時点の経過年数は7年で、借主の負担割合は1円です。張替え日が分からない場合、ガイドラインでは入居年数で代用する方法も示されています。
ほかの年数
出典:
この解説はガイドラインにもとづく一般的な目安で、個別の事案についての法的な判断ではありません。